おのろーぐ

2005/07/25

川端康成「伊豆の踊り子」ゆかりの旅館に泊まる


金曜の夜、伊豆河津湯ヶ野温泉福田家に泊まった。伊豆の踊り子の舞台とされる。

私 が泊まった部屋は、川端康成が泊まった部屋(部屋番号「踊り子一」)ではなかったが、当時からある古い部屋である。ちょうど、この宿の売りであるカヤの 枡風呂のある浴室の真上の部屋だ。二階である。六畳二間。河津川に面した六畳には、二辺に亘る板間の縁側が付いていた。現在は「踊り子七」という部屋番号 になっている。

障子は当時の物だったが、敷居は修繕され新しい材になっていた。二つの六畳を仕切る襖とその敷居も新調されたものだった。部屋の入り口の回り戸も新しかった。

「踊 り子七」を回り戸から出ると、すぐ左に階段があり、下れば受付がある。部屋から真っ直ぐ廊下が五間あり、突き当たりを右に行くと「踊り子一」の入り口 である。踊り子七からみて廊下の右手はガラス戸があり「踊り子一」の入り口側に一間の洗面所がある。廊下の左手には六畳間が二つあり、障子で廊下に面して いる。各六畳間は一間半の辺で廊下に面している。各六畳間の上には、小さな木札が取り付けられており、それぞれ「第二号定員参名」(号は号虎の旧字)「第 三号定員参名」と書かれていた。たぶん、当時の表示であろう。今は客室としては使っていないようだった。「第三号」と「踊り子七」間には、一間幅の板間 と、先に触れた階段がある。実は、この一間幅の板間を階段をめぐるように進むと、「踊り子七」の二つ目の六畳に入れる。昔は別の部屋番号を持っていたのか もしれない。

食事はよかった。派手ではないが、うまかった。今まで泊まったいくつかの旅館の中で、一番よかったかもしれない。残さず完食できたということが、さらに満足感を感じさせた。
# 大体食べきれずに無念に終わることが多い。

2005/07/11

保育園の朝

毎朝息子(3歳)を保育園に送っている。

保育園に着くと、息子には自分の準備をさせる。かばんから弁当箱・歯ブラシ・お手拭タオル・口拭きタオルを出して、決められた場所に置いたり掛けたりす る。親にやってもらっている子もいるが、息子にはできるだけ自分のことは自分でやらせるようにしている。その間に私は、着替えを補充し、布団カバーをかけ (これは月曜だけ)、保育園からの連絡をチェックしたりする。
私が先に準備が終わると、息子の準備が終わるのを待つ。息子が先に終わると、「お父ちゃん終わった?」と聞きにくる。「もう少しだよ。」と答える。
お互い準備が終わると、名札を肩につけ、お別れの儀式が始まる。

だいたいまず、ハイタッチをする。次に「でんぐりがえり」をする。これは、子供が親の手を握って足を親の膝上まで上ってきて、鉄棒の逆上がりのように後ろ回りするものである。さらに「高いのやって」といわれたら、高い高いのように体を勢い良く持ち上げてやる。
運がよければこれで終わる。息子に「バイバイ」といって、保育士さんに「お願いします」と声かけして会社に向かう。

運が悪いと・・・
息子にサーヴィスしている様子に、他の子が気がつく。すると、「私もやって~、僕もやって~」と集まってくる。彼らが満足するまでサーヴィス満点モードから離脱できなくなる。
さらに悪いケース。
息子にやってあげた後、他の子が近寄ってこなくても、息子自身が友達に「ねえ、お父ちゃんが高いのとかやってくれるよ」などと誘ってしまう。そうすると上述のようにサーヴィス満点モードに不意に陥らされる。

保育園を出る前に、かなり疲れてしまう。

私はキーホルダーをベルトからさげている。普段はズボンのポケットに入っているが、たまにズボンのデザインによりポケットに入らずジャラジャラしてしまうときもある。また、携帯ストラップも後ろのポケットから出ている。
ある女の子は、このジャラジャラをつかんで引っ張るのが好きだ。以前息子のかばんについていたキーホルダーを引きちぎってしまったこともある。
ある日私もつかまれた。身動きがとれないので、「あんまり引っ張らないでね」なんていいながら何とか逃れた。そうしたら今度は携帯ストラップをつかまれ た。こっちはそんなに強いものではないので「引っ張らないで」と、ちょっと強めに言ってしまった。するとその子は、すっと部屋の隅の椅子に腰掛けておとな しくなってしまった。「まずい」と思った。ので、息子との別れの儀式を入念にやって見せて、その子に気づいてもらって、「でんぐりがえり」だの「高い高 い」だのやってあげて、何とか人間関係を回復した。

保育園の朝は、神経を使う。